30日目

理想と現実が違ったときにどうしようか.

 

登りきった山頂が思ったよりきれいじゃなかったとき,ふと見上げた空が思ったよりどんよりしていたとき,小説がハッピーエンドじゃなくてもやもやしたとき,どうしようか.手を差し伸べてくれる人がいたら楽なのだろうけど,現実はいつだって非情で,いつだって現実的なので,何も起きない.

 

反対に,思いもよらぬ形で現実がきれいに見えるときだってあるだろう.雨あがりのアスファルトの匂いだったり,草木に手を突っ込んだときの程よい痛さだったり,電線の垂れ下がる曲線だったり.とはいえ,それはどれも誰かが用意してくれたものではなく,ただそこにあるだけだからどうでもいいことかもしれない.

 

現実にΔtを足すと未来がやってくる.dt積分できたらさぞかし楽しい・・・とは思えず,たぶんものすごくつまらない.できてしまったら,見たかった未来が見えなくなる.そんな気がする.