4日目

学生時代にお世話になり,いわゆる恩師と呼べる存在は3人いる.思い出に残るフレーズを一つずつ書いてみよう.長くなる気がする.

 

1人目は卒論の指導教員で研究哲学は少なからず影響を受けている.配属初日,「君はそんなに頭が良くないから馬車馬のように実験をするように」とぼくは言われた.頭脳の差は歴然だったから,(まぁそうでしょうね)と思い,ぼくは黙々と朝から夜中まで実験をしていた.

 

初夏,先生は別の大学に栄転となった.紆余曲折の末,ぼくはテーマ継続で近くの大学に外研することになった.でも,遠隔はなかなか難しく,残念ながら喧嘩別れに終わり,修士からは所属大学の隣のラボに移った.

 

・・・実は今でも恩師とは仲良くしている.前職の研究テーマは卒研をヒントにしたせいもあって,とある学会で毎年会っている.再会したときは自分がどんな顔をしていたかは定かではないが,とにかく関係は復活した.公式では仲が悪い設定である.

 

現職に移るとき,LINEで恩師に「実力は怪しいし,毎日精一杯です」と言ったところ,「新しい発想を続けられそうにない,というのは単に自分が真にベストを尽くして考えていないだけ」と痛烈な一言をもらった.

 

「ベストを尽くして考えているか」振り返ると,自分の甘さが見えてしまう.真理を探求できていると胸を張って言える研究者になれる日は遠い.