7日目

学際領域は本当に「際・間」なのだろうか.学術全体を有限な平面として考え,「既知の領域は塗る」という塗り絵をしてみたら,そのうちすべて塗られそうに思う.あるいは,未踏ではあるが周りはすでに塗られている,いわばだいたい結末が予想できる学際領域というのも存在してしまう.

 

そもそも有限という前提がおかしいのかもしれないので,無限と仮定してみる.では,どの領域も等価なのか.根幹・抹消という分類はあるような気がするが,そもそもそんなものはパラダイムに基づいてカテゴライズされているに過ぎないので,やはり無意味な気もする.

 

きれい・汚い・一般的・重箱の隅など研究を形容する言葉はあるが,それらは誰かの主観に根付いた評価であって,客観性を重んじる自然科学とは最もかけ離れた存在であってほしかった.自由に研究しているつもりでも我々はそこからは逃れられず,リードを付けられて元気に走り回っているだけなのかもしれない.

 

最初から自由を手放しているのだから,(特に卒研生でしばしばみられる)自由からの逃走を笑う人ほど矛盾を抱えているものはない.