1日目

転職して新天地に移ったのもつかの間,前期の講義はすべてオンラインになるとのこと.まさか,初めての講義がそうなるとは思わなかった.

 

まともにラボは機能していないけれども,そのおかげで(?)じっくりと研究計画を立てる時間があるのは幸い.何のために博士号をとって,何のために生きているのか,生きることが目的とならないような,命をかける研究テーマを見つけるのは骨が折れる作業だ.

 

科学の世界は広いけれども,その中で自分が浸かれるのはほんの一部.深く掘りたいのか,広く眺めたいのか,あるいは落ちているきれいなものを拾いたいのか,巡りあわせでしか決められそうにないけれども,何かしらの形で世界の地平線の向こう側を見られる日が来るのかもしれない.

 

ざっくり見積もってあと半世紀しか生きられないけれども,死んだあとも論文は生き続けるから.