9日目

不幸にして,生きていると「○○しなければならない」場面がしばしば訪れる.研究室の学生を例にとれば,ゼミ発表・学会発表・卒修論発表・論文執筆あたりだろうか.教員からすれば,自分を知ってもらえるという意味でだいたい楽しいのだろうが,やらされるあるいは指導が難癖のようなものであると途端にイヤなものである.

 

ぼくは早々に諦めてやるので気にならないが,教員にとってもイヤなものはあると思う.とはいえ,期日は迫るし選択肢がないならば腹をくくるというのは重要な行動である.自分が主役である場合はこの行為によって人を引き付けることができ,協力体制を敷いてもらえることもしばしばである.逆に,そうでない場合はずるずると終わらせたとしても,最終的にマイナスの印象を抱かれやすい.善悪の問題ではなく,そういうものだということである.

 

では,何をすれば腹をくくったことになるか.単純である:期日までに良いものを出そうと最大限の努力をするスタンスを見せればよい.簡単なところでは,早めに着手する・予定よりも遅れているときは助けてくれとアピールする,である.前者だけで初速だけで自己管理が不足していたと思われ,後者だけでは着手時期に問題があったと評価されるかもしれない.だが,両方をおこなえば文句を言われることはない(ただしまともな指導教員に限る).

 

未知への探求という点を踏まえると,経験値以外に学生と教員に能力差はあまり無いように思える.モチベーションはおそらく教員の方が高いだろうが,これが腹をくくれる/くくれないに影響しがちである.そういう意味では,学生がはらをくくろうと思ってくれるような,そんなモチベーターであることが我々に要求されている.